今回はコールセンターで日常的に交わされる用語あるあるについてまとめます。
また、一部の用語についての使い方例も示しますので、合わせて確認してもらえると、イメージが付きやすいと思います。
という事で今回は、以下のようなクエスチョンをクリアします。

- コールセンターで日常的に使われる用語が分からない
- 用語の使い方とかが分かると良いかも
このブログを書いている私ikarushは、過去15年の間でコールセンターのオペレーターやヘルプデスクを7年ほど携わりました。
その主な業務はインバウンドの受電業務であるため、掲載の用語は受電業務中心の単語が多くなっていると考えます。
コールセンター用語あるあるまとめ37選
今回載せる用語は一般的なものと言うよりは、「自身が業務を行う中で比較的よく聞いた・使用した用語」を中心としています。
そのため、他のコールセンター用語を扱っているWebサイトやブログに比べて少なめの情報量です。
また「37選」とは数字としてキリが悪いのですが、45ほどリストアップしたものの、選考段階で削除しました。
やはり比較的頻繁に使用される単語を選別したかったので、多少キリが悪いですが仕方がないです。
なお各用語はアイウエオ順ではなく勝手にジャンル分けし、それに倣い順列を加えました。
各ジャンル設定と簡単な概要を、下記説明します。
ジャンル名称 | 概要 |
役割 | 業務もしくは役割・役職など、コールセンター内のその人の任務についての用語 |
作業 | コールセンターのオペレーターが受電業務として行う作業に関する用語 |
電話 | コールセンターに掛かってくる電話についての区分 |
管理 | 複数人、もしくはコールセンター全体で対応・管理・把握するもの |
その他 | 上記に該当しないもの |
役割に関する用語

以下で解説する用語は、コールセンター内でその人が行う任務そのものについて。業務もしくは役割・役職とも言い換えられる内容についてです。
【 インバウンド 】
お客様から掛かってくる電話に対応する受電業務のこと。
【 アウトバウンド 】
お客様に電話を掛ける発信業務のこと。
【 オペレーター 】
コールセンターで従事する従業員。基本的に1次対応を行う者の事を指す。
【 1次対応 】
最初に掛かってくる電話・最初に掛ける電話でやり取りをするオペレーター。もしくはその業務。
【 2次対応 】
1次対応で解決できない用件に対処するもの。クレーム対応や詳細確認を必要とする場合などに対応する者。もしくはその業務。
【 SV 】
スーパーバイザー。オペレーターの上級職に当たる。コールセンター内の応答率管理やオペレーターの出勤シフト管理、オペレーターからのエスカレーション対応やクレームなどの2次対応を行う。SVの上級職にはコールセンターを統括するセンター長などがおり、人員管理や予算管理、稼働率調整などを行う。またSVの下にリーダー、サブリーダーなどを置くコールセンターもある。
作業に関する用語

以下で解説する用語は、コールセンターのオペレーターが電話を通じて行う作業の名称についてです。
【 受電 】
コールセンターに掛かってくる電話の事。
【 オープニング 】
受電時にオペレーターが最初に言うフレーズ。オープニングトークともいう。
[ 例 ]
「お電話ありがとうございます。◯◯コールセンター受電担当△△でございます」
【 エスカレーション 】
1次対応のオペレーターがお客様との会話中に不明点などあった際、SVなど上長にヘルプをして対応方法などを確認する事。通話から一度保留にし、保留中にエスカレーションを行う流れが基本。
【 クロージング 】
お客様対応が完了し問題がなければ電話を終わらせる。その時にオペレーター側がお客様に言うフレーズ。クロージングトークとも言う。
[ 例 ]
「他に不明点ございませんか?…はい、かしこまりました。本日は受電担当△△が承りました。お電話ありがとうございました。失礼いたします」
【 終話 】
お客様との対応が完了し電話が切れる事。切電(せつでん)と言うこともある。
【 後処理 】
お客様の対応が完了した直後に行う入電記録をPC端末に入力する作業の事。
【 折電 】
お客様から掛かって来た電話を終話後、コールセンター側からお客様に改めて電話連絡する事。
【 架電 】
コールセンターからお客様の電話に発信する事。
[ 例 ]
SV「う~んこれじゃ良く分からないから折電して」
オペ「え、あたしから(電話を)掛けるんですか?」
SV「そうよ、あなたがお客様とお話ししたんだから、あなたが架電するの」
オペ「分かりました。(電話を掛けるが)…保留になっちゃいますね」
SV「じゃぁ仕方がないからお客様からの再入電を待ちましょう」
【 転送 】
一般的に掛かって来た電話を別の電話につなげる事。コールセンター内で特定オペレーターやSVに電話をつなげる場合に転送を行う。
【 離席 】
オペレーターが小休憩や昼休憩、その他社内の用事などで席を外したり、電話に出られない状態となること。
電話に関する用語

以下で解説する用語は、掛かってくる電話などについての区分けです。
【 入電 】
お客様から電話が掛かってくる事。
【 再入電 】
特定のお客様から再度電話がかかってくること。
【 待ち呼 】
オペレーターに電話がつながらず、オペレーターにつながるまで待っている電話がある事。「まちこ」と読む。
【 サンキューコール 】
以前電話応対したオペレーターの対応に関して、後日お客様から「先日の対応ありがとう」と電話連絡が入る事。コールセンターによってはオペレーターの評価をサンキューコール件数にしている場合があり、件数次第で給与などが変動する事もある。
[ 例 ]
オペ「エスカレーションお願いします!」
SV「どうしたの?」
オペ「電話はもう終話してるんですが、通話内容がAさん宛てのサンキューコールでした」
SV「わかったわ、Aさんに伝えておく」
オペ「今回の場合の後処理ってどうすればいいんですか?」
SV「対応法教えるから通常通りの後処理やって、登録操作前にもう一度エスカレーションしてもらえる?」
オペ「わかりました」
【 着信拒否 】
一般的に特定の電話番号を拒否する設定、もしくは特定の番号以外は受電しないようにする設定。コールセンターからお客様に架電するが、常に不通(ツーツーツー)となる状況を指す。ちなみに固定電話の受話器が外れていても不通状態になる。コードレス電話が別にある場合は通常通り電話はつながる。
【 IVR 】
自動応答電話システム(Interactive Voice Responseの略)のこと。コールセンターに電話して「◯◯の方は1を、それ以外の方は3を押してください」などと録音音声が流れるもののこと。
管理に関する用語

以下で解説する用語は、1人のオペレーターではなく複数人、もしくはコールセンター全体で対応・管理・把握するものについてです。
【 モニタリング 】
オペレーターとお客様の会話を第三者が聞く事。デビュー(1人で受電を始める)前に教育の一環として行う他、SVなどがオペレーターの応対品質を見極めるために行う。またクレーム応対内容をリアルタイムで確認する場合などにも行われる。
【 ロールプレイング 】
通称ロープレ。「ロール(役割を)プレイング(演じる)」という言葉通り、2人1組で1人がお客様、もう1人がオペレーター役となり、模擬的な電話応対を行う事。新人教育の一環として行われる事が多い。
【 OJT 】
On-the-Job Trainingの略。新人オペレーターと教育担当者2人1組となり、新人オペレーターが実際の受電業務を行う際に、教育担当者がモニタリングを行い、オペレーターの補助をしながら受電を行う。新人教育の最終段階で用いられることが多い。
【 スクリプト 】
オープニングからクロージングまでの流れが書かれた、電話応対の基本的な流れを示す「脚本」のようなもの。多くは一般的な問い合わせ内容が記されており、個人情報の確認の流れや、資料を確認する手順なども記され、スクリプト通りに電話応対すれば対応できるとしている。ただしスクリプトに書かれている内容は基礎であって、客に合わせて対応できるようには作られていない。トークスクリプトともいう。
【 ナレッジ 】
オペレーターやSVが円滑に応対できるよう作られる、電話応対に必要な資料が詳細情報としてまとめられたもの。膨大な紙資料が収められたもので、多くはPC端末でアクセスできる、ローカルアクセスのみに限定されたWebサイトのような見ばえ。ただし現場によっては過去ログの事を指し、ナレッジ情報として整理されていないところもある。ナレッジシステムとも呼ぶ。
【 過去ログ 】
お客様との応対後に入力した後処理1件1件を束ねた情報データベース。DBから何かしらのソフトにて見られるようになっており、DBを扱えない人間でも、簡単なキーボードやマウス操作で検索できるようになっているが、ナレッジほど見やすさや検索しやすく整理されていないため、通話しながらの操作には不向きな事が多い。
【 音声ログ 】
オペレーターがお客様と会話した1件1件の音声データをまとめたデータベース。音声データとも呼ぶ。重篤なクレームなどがあった場合に、過去のやり取り内容をコールセンター側で把握する場合や、お客様の個人情報と共に警察などに提供する場合にも利用される。
【 応答数・応答率 】
その日オペレーターが電話応対した数を応答数。その応答数を、総入電数で割った数値を応答率としている。応答率が高いという事は、コールセンターに電話をした際、オペレーターに電話がつながりやすいという事を表している。
【 呼損・呼損率 】
コールセンターに入電があったもののオペレーターにつながらず、つながるまで待っている途中で電話が切れたものを呼損。その呼損を、その日の総入電数で割ったものが呼損率となる。基本的にオペレーターが全員対応中で待ち呼が発生し、オペレーターに電話がつながらず、通話を諦めて電話を切る事で発生する事が多いため、稼働率や人員数が大いに関わってくる。また日や月の呼損率をコールセンターのKPIとしてお客様満足度を測る事も多いため、コールセンターとして如何に呼損率を少なくするかが焦点であることが多い。
【 稼働率 】
その日の総受電時間(保留含む)を、当日のオペレーターの在籍時間で割った数値。稼働率が100%を超えていれば、入電数に対して当日のオペレーター人員不足や、オペレーターのスキル不足が考えられる。逆に数値が低ければ、当日のオペレーター人員余剰の可能性がある。オペレーターの純粋な応対時間(お客様と話をしている時間+後処理時間)のみを換算する場合と、2次対応などにてお客様都合の対応をしている場合を加算するかによっても数値が変動する恐れがあるため、そのコールセンターの稼働率計算式と求められた数値によって解釈が異なる。
【 応対品質 】
オペレーター1人1人の応対レベルを測ったもの。「1~5」や「ABC」などで段階評価される。明確な定義や指標はないが、オープニングやクロージングが正常に行えているか、名乗り(自分の名前を客に伝える事)が出来ているか、日本語を正しく遣えているか、お客様に正しい回答が出来ているか、終話後の後処理平均時間、折電や架電の回数、昼休憩以外の個人的な離席時間、声のトーン、月間のサンキューコール件数などから判断される。
その他に関する用語

以下で解説する用語は、これまでの区分けに該当しないものです。
【 個人情報 】
その情報を知られる事で特定の個人と判別できるプライバシーに関する情報のこと。名前、住所、性別、年齢、電話番号、メールアドドレス、契約サービスなど。なお企業が個人情報に結びつかないと判断する情報に関しては、個人情報に当たらない。例えば血液型などを開示しても、特定の人物(Aさんである)と明確に判断できない情報に関しては、開示可能としているコールセンターもある。
【 インセンティブ 】
特にアウトバウンドの現場で設定される、オペレーター各個人で獲得した契約件数や成約数に応じて、コールセンター側が給与とは別に報奨(ボーナス)として与える報酬。一時的な時給アップや、金一封、商品券などが多い。
【 ヘッドセット 】
コールセンターで従事する者が頭に掛ける片耳とマイクがセットになったヘッドホンのようなもの。ステレオミニプラグのものが主流だが、最近はブルートゥースのものも存在する。
【 CS 】
カスタマーサポートもしくはカスタマーサービスの事を表す略語だが、現場によっては顧客満足度(Customer Satisfaction)の事を指す場合もある。
コールセンター用語あるあるまとめ37選:おわりに

今回はまとめではなく、結びのお話にさせていただきました。
掲載した用語をまとめる事は出来ない事と、自身で今回の記事についてコメントしたかったからです。
今回改めて用語を作ってみましたが、私以外でこの用語一覧を利用するメリットは無いか、あったとしても小さいかなと感じます。
かなり個人的な視点での解釈もあり、もしかしたら一般的な解釈と誤っている個所もあるかもしれません。
ただコールセンターのブログ記事を書くに当たって、専門用語や業界用語の説明をしないまま進める事に気負いのようなものを感じていたので、アクセスやSEOには関係ないと思いますが作成しました。
目次などからマウスクリック1つで各用語が閲覧できるようになると、ユーザビリティの点では良かったかもしれませんが、(追従する)目次がいっぱいになって画面から見切れてしまう可能性。
そしてスマホでの操作性を加味しても、目次依存で作成してもあまり意味をなさないと思い、このような記述としました。
私以外の方が当用語一覧をご覧になって見づらいなと感じられたら、素直に申し訳ないと思います。
なおこれからもコールセンターの記事を書く中で、思い出した用語や追記したいものが出来次第、更新していきます。
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