コールセンターに来るクレームを分類して考える

コールセンター業務のクレーム談義の2回目です。

第1回目は「クレーム対応時に重要な3つのポイント」と題して、クレームに対処するための心構えや気持ちについてを紹介しました。

詳しくは以下のリンクからご覧ください。

クレームの電話

クレーム対応時に重要な3つのポイント【コールセンター】

2019年2月23日

そして第2回目となる今回は、クレームと言っても実は種類がある。

クレームの種類、クレームを伝えてくる相手の態度ごとで対応方法が異なるという話です。

なおこのブログを書いている私ikarushは、過去15年の間でコールセンターのオペレーターやヘルプデスク歴7年、その他にQ&Aページの新規作成や2次対応も複数年携わって来ました。

今回はそんな自身の過去や、仕事をした環境の中で得た知見。
さらにはWebや書籍で得た知識などから、解説を進めて行きます。

コールセンターに来るクレームを分類して考える

早速ですがクレームの話。

私は以下のようなクレームを訴える人相、クレーム種別があると考えています。

  1. 静かな物言いで不満点を伝えてくるクレーム
  2. 話の途中から不満になり怒り出すクレーム
  3. 自分の気に入らない事があると何でも怒るクレーマー
  4. 相手を完全に見下して声の暴力で恫喝するクレーマー

番号がついている通り、後の番号ほどクレームとしての性質が悪いものという解釈になります。

また①・②は基本的に普通のお客様。

③・④は「声を荒げて相手の倒せば自分の思い通りになる」と考えるクレーマーを想定しています。

それでは順番に見ていきましょう。

クレーム種別①:静かな物言いで不満点を伝えてくるクレーム

コールセンター業務をしていて、たまに出てくるクレーム案件。

このパターンはクレーマー(クレームばかりを言って来る人)ではなく、不満があるのでそれを改善して欲しいと訴える普通のお客様です。

このクレームは非常に分かりやすく、そして対処しやすい事が挙げられます。

というか元々物分かりの良いお客様であり、自社サービスのファン的な顧客である場合が多いため、「サービスを普段から使っているけれど、ここ不便だったりイヤだったりするので改善して欲しい」と訴えてくるケース。

もしくは何かサービスに不備やミスがあり、それに対して静かに怒っているケースがほとんどで、対応するオペレーター側もお客様の怒りの原因をしっかり確認する事で、上長やSVに交代することなく、その電話対応のままクロージング(終話)できるでしょう。

コールセンター側も業務改善や商品改善につながるヒントとして捉えやすいため、レアケースやアクシデントから発生したクレーム出ない限り、耳を傾けることでサービス・商品の改善に効果的に働くでしょう。

なお、私ikarushも普段からこのパターンでクレームを伝えています。

特に私の場合は「すいませんクレームを伝えても良いですか」と断り話をします。

私がこんな風に言うのは自身のオペレーター経験が長いからであって、あまりこのような方とお話しした記憶はありません。

いずれにせよこの手のクレーム案件は、お客様・オペレーター双方で納得しやすいため、尾を引くような事がなければ受け取った電話でクロージングできます。

ただし一般的なクレームとしては、次の②のパターン以降が多く問題になっていると考えています。

クレーム種別②:話の途中から不満になり怒り出すクレーム

STRESS

割と一般的な、コールセンターに掛かってくる全てのお客様に関連するだろクレーム種別です。

内容に不満があって、不満を口にする方。

不満げな声のトーンでクロージング(終話)まで話される方、声を荒げて怒り出す方。

様々なケースが考えられますが、基本的には「(電話口でしゃべっている)お客様にとって何かしらの不都合がある場合」という事が多く、その不満点のみで怒っているパターンです。

なおクレームの原因となっている点を解消できればいいですが、組み込まれ簡単に変更のきかないシステム的な部分にも関連するため、(通話中に出来ると)「言われた/言ってない」で揉めるケースなど、一筋縄で行かない事もあります。

このクレームに対しては、前回お伝えしたクレーム対応時に重要な3つのポイントにて対応するのが良いでしょう。

簡単に変更がきかないシステムなどについてのクレームは、例え無理難題であっても、親身に思いやりをもって接する事で、怒りが収まる可能性が高いです。

これはオペレーターのみならず、上長・SVの対応であっても同様です。

中小企業ならともかく、コールセンターを自社もしくはアウトソースしている企業にとって、1人のお客様を特別扱いすることは難しいでしょう。

他の対応策も含めたサービスの提案などをしながら解決策を模索し、出来ない事は出来ないとしっかりお伝えする事。

そして丁寧な説明・対応のうえで了承いただく事が、コールセンターとしても適切であると考えます。

クレーム種別③:自分の気に入らない事があると何でも怒るクレーマー

さて、そろそろ面倒な部類に入って来ました(苦笑)。

これは基本的に常連客のクレーマーパターンで、過去に最低でも1回は大揉めになった事があるクレーマー。

もしくはクレームを言う事で美味しい蜜の味を知ってしまったクレーマーや、オペレーターを自分勝手な怒りと言葉の暴力でコテンパンに懲らしめた事がある種別のクレーマーです。

このクレーマーは沸点が他のお客様よりも低く、アルコールのように少し熱が入ると急にわめきだす面倒な人達です。
(※エタノール(飲用アルコール)の沸点は約78.3℃です)

このクレーマーの場合、出来るだけ地雷を踏まないように対応することが重要になります。

一度怒り出すと、次の④のように手が付けられなくなる危険性が常にあるため、細心の注意を払って対応しなければなりません。

そのためコールセンター内でも全従業員に、クレーマー客である事を事前に周知徹底し、クレームに発展することを未然に防ぐことが最善策となります。

しかし細心の注意を払っていてもクレームに発展してしまった場合は、すみやかに上長やSV、必要であればさらに上位の監督責任者にて対応する方が賢明でしょう。

なおこの③と次の④を「お客様」と捉えるか否かは、コールセンターごとに決めるべきです。

オペレーターを泣かせ、上位監督者を悩まし、他のお客様の業務対応にも支障が出るようなこのようなクレーマーを「お客様」と捉えるかどうかは、企業とても大切な判断になります。

クレーム種別④:相手を完全に見下して声の暴力で恫喝するクレーマー

怒鳴りまくるクレーマー

これは世の中に害悪を為す、最恐最悪のクレーマーです。
もしくは人の皮を被ったケダモノと言うべきか、人語を話す人ならざる者というか。

いずれにせよ一介のオペレーターがどうに出来るものではなく、上長やSV、もしくはそれより上位の監督責任者が対応する案件となります。

本当のことを言うと、人格否定発言をするような方はサービスを利用していても客ではありません。

本来であればSVや監督責任者ではなく、会社としてしかるべき対応を取るべきで、必要なら刑事告訴も辞さないような案件だと考えています。

そんな大げさな事にしたくない。
可能であれば穏便に事を済ませたい。

そう思っている企業の監督責任者さんは非常に甘いです。

彼らクレーマーはあなた方が「穏便にしたい」というそのスキを狙って好き勝手やる蛮族ですので、穏便にしたい、何もなかったことにしたいと対応すればするほど彼らクレーマーはつけあがり、御社コールセンターに憑りつき、結果他のお客様にまで迷惑を掛けることになるでしょう。(オペレーターの離職や呼損率上昇につながるため)

なお新人オペレーターさんや、受電業務未経験でクレームを受けた事がない方のために、一般的にあるクレーム例をWebで見つけたので、以下にそのリンクを載せておきます。

ただ、自分もこの記事を書くに当り色々なクレーム案件をWebで調べて、適当なものを探しては読み…としていましたが、自宅でJazzを聞きながら読んでいるにも関わらず気分を大きく害してしまいましたので、心臓の弱い方は読まない方が賢明です。

コールセンターに来るクレームを分類して考える:まとめ

今回はクレーム種別を以下の4つに分けて対応策について考えてみました。

  1. 静かな物言いで不満点を伝えてくるクレーム
  2. 話の途中から不満になり怒り出すクレーム
  3. 自分の気に入らない事があると何でも怒るクレーマー
  4. 相手を完全に見下して声の暴力で恫喝するクレーマー

個人的に③と④は現場の誰しもがあまり関わりたくない人間、つまり受電から排除したいという種別だと考えています。

このようなクレーマーに対して現場の対処云々ではなく、まずは企業としてのスタンスを明確に、オペレーターの心身を守るため最優先に対応して欲しいと願います。

なお、今回ブログ記事で掲載した内容の一部は、以下の書籍に載っているものもあります。

こちらの本の中身としてクレーマー撃退のトークテクニックや、運営サイドの対応方法なども詳しく書かれておりますので、一読しマニュアルなどでの対応策を講じてもらえたら(過去にオペレーターをしていた自分としては)大変嬉しく思います。

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