RPGツクールメイキング:ゲームとしてのダンジョンデザイン①

前回のテーマは「オリジナルのダンジョンMAP作成」でしたが、今回はそこから1歩2歩踏み込んでのダンジョンデザインを考えてみたいと思います。

そこで今回の記事のメインテーマは「ダンジョンの導線」について考えてみたいと思います。

 

ダンジョンの導線とは?

「導線」って言葉、ご存知ですか?
正直あまり聴き慣れない単語ではないかな~?と思います。けれど、コンビニなどの流通業界やデパートやスーパー、建築業界でも用いられますし、Webサイトや皆さんが毎日プレイしているだろうゲームアプリなどでも、この「導線」という考え方は非常に重要なものとされています。

業界によって多少意味は異なるようですがWeb業界、ゲームアプリなどで言う「導線」とは、「お客さんをどのような順序・方向で進ませて、最終的なゴールをどう設定するか」という設計された筋道を指す言葉。
Webサイトであれば、ホームページに来てくれた方が資料請求や、商品の注文をしてくれる事をゴールに設定する、とか。
ゲームアプリであれば、どうやってガチャやアイテム課金につなげるか…とか。
お客さんが『買いたいな~』と思ってくれる筋道を立てるというのが導線というものになります。

ちなみに漢字か少々異なる「動線」とは計画ではなく、「実際にお客さんが進んだ道筋」の事を言います。

話を戻して、今回テーマ「ダンジョンMAPについての導線」についての要点ですが、実際のプレイヤーキャラクター(以下、PC)にダンジョンの入り口からどっちに進んでもらって、最終的なゴールはどこに設定するべきなの?という事を明確にした方が良いですよ、というお話です。

「ダンジョンって言ったら宝箱があって、最後にボスありき! そんなの誰だって分かるでしょ!」という声が上がりそうですが、そこを一度立ち止まって考えてみてください。
迷路やトラップ、ボスモンスターは良いですが、毎回好きなように設定して、マンネリなダンジョン設計になっていませんか?

「導線」という筋道を事前に考える事によって、複雑なダンジョンの中身をシンプルに考えられるようになる他、整理して考えられるため、マンネリなダンジョンになってしまう事を避けられます。
また「このトラップに引っかかって欲しい!」とか「重要じゃないけど、この宝箱回収してくれると戦いがラクになるんだけど…」など、ゲームの作り手としてPC側に暗に求める事を、設定しやすくなるでしょう。

文字ばかりで話を進めていてもアレなので、仮ダンジョンを作ってみましたので、画像踏まえて「ダンジョンの導線」について少し考えてみましょう。

 

ダンジョンの導線パターンを考える。

改めて「ダンジョンの導線」について確認しましょう。

こんなアホみたいなダンジョンは、まぁないと思いますが、導線というものはこんなシンプルな感じで考えるのが良いでしょう。
このダンジョンにスタートとゴール。そして中間部分を当てはめると、こうなると思います。

入り口(Start)からダンジョンに入って → 中間部分(Interval)を抜けて → 目的の宝箱(Goal)に到達する。
では中間部分に設定するパターンとしてはどんなものがあるでしょうか?
何点か挙げてみましたので、以下、参考にしてみてください。

 

① リドル(謎掛け・謎解き)パターン

入り口から進むと石版があり、奥には穴を渡す橋が二つある。
石版を読むと「片方は崩れます。気をつけて」と書いてある。

たとえばこんな感じでも十分トラップになります。
トラップ発生確率は50%。
では少し石版の文字を変えてみるとどうでしょうか?

「勇者達の勇気が試される。道なき道を進め。その先にそなたらの栄光が待つ」

なんとも意味深な感じですね。
そして同じように橋が二つあるけれど、橋を渡ろうとするとどちらも崩れる設定で、正解は落とし穴部分を進むと落ちることなく進める…とか。リドルとしては常套句ですが、戦闘に明け暮れたゲームには変化球になって良いかもしれません。

 

② メイズ(迷路)パターン

全くもって王道ですが、普通の迷路です。
このパターンは複雑で長大であればあるほど難易度があがります。ラスボス前にこのパターンを持ってくると道中出くわす敵も強力で、ただただ煩雑なゲームに感じられるかもしれません。

 

③ スイッチ&ボスパターン

これもコンピューターゲームではかなりの王道ですね。
中央の道を進めば目的の宝箱が得られると思いきや、障害物があって進めない。先にスイッチなどで障害物を除外して、その先のボスを退治して…という流れ。
スイッチまでの行程を迷路にするパターンや、道中にトラップを仕掛けるパターンも王道ですが、あまりに手が込んでくるとPC側は飽きるかもしれませんね。

 

④変化球パターン

4つめは「苦労して損した!」と思ってもらうパターン。
入り口入ったところの石版には「道を進んだ先の石版を読め」、通路の奥の石版には「急がば回れ」などと書いてある…とか。
上に挙げた①②③との違いは、中間地点を通る意味がないという事です(笑)。逆にゲーム制作者側の意図としては「ただただコッチが与えてる道だけ進んじゃダメよ!」みたいな教訓を与える感じでしょうか。

書いていて思いましたが、いやなゲームマスターですね…(苦笑)

 

今回は分かりやすく1フロア型のダンジョンとしてパターンを載せましたが、実際にダンジョンを作る際は、連結するフロアがあったり、別階層(B1・B2…とか、1F・2F…とか)があったりすると思います。
その中で闇雲にダンジョンを作っていると「このゲームのダンジョン、毎回迷路の先にボスいるんだよな~」なんてPCは感じてしまうかもしれません。

そこで例えば塔を作ろう…と言う場合は、
1Fにイベントで扉を開くようにして、2F3Fは迷路、4Fにはリドル、5Fの目的地直前にボスを配置しよう…とか、
魔王城を作ろう。4天王が居ていきなり城の入り口にボス。1Fは迷路の先にボス。2Fは簡単な迷路とスイッチがあってのボス。3Fは通路トラップとイベントの先にボス。そしてラスボス…
みたいな、ダンジョンMAPを描かなくともダンジョンデザインが出来ると思います。

という訳で今回は「ダンジョンの導線」について考えてみました。
次回以降、ダンジョンのデザインについてもう少々深堀りしてみたいと思います。

ではまた~。

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