コンセプトと現状の総ざらい確認が終わったので、今回から詳細部分について語っていきます。
とは言え決まっていない部分も多々あるため、全てをキレイに語る事は出来ません。
まずはこれまで作成した記事内容に従って、上書きをしながら詳細をお伝えします。
詳細編の今回は職業デザイン(いわゆるクラス)について考えていきます。
日本ファンタジー系ゲームの巨頭として名高い「ドラゴンクエスト」と「FINAL FANTASY」。
これらはいずれも「職業・ジョブ」というカテゴリで、キャラクター毎の得手不得手のすみ分けをTRPGでいうところのクラス(等級・階級・種類・部門などの意味)として定義されています。
DQsTRPGもDQというメインテーマから外れることなく、職業をキャラクターデータの中心に置きたいと考えていますので、TRPGとDQの融合点としての職業をどのように設定するのか。
その部分を、まずはニュアンスの点から考えていきましょう。
目次
自作TRPG作りの旅【職業を考える】~前編~

考え方やデザインの流れなどをお話しする前に、先に結論としてDQsTRPGで設定した職業についてお伝えします。


現在の基本職は画像で挙げた通り、「戦士」「僧侶」「魔法使い」「武闘家」「盗賊」「冒険者」「商人」「旅芸人」の8職に設定しました。
詳しくは次項以降で説明しますが、全体を白兵戦闘系、呪文系、バランス系、その他系という4種を配置しようと考えました。
まずは材料をテーブルに並べる

職業を考えるうえで最初にやったことは、DQシリーズ(のナンバリングタイトル)で、実際にどんな基本的な職業があるのかを確認しました。
その上で「羊飼い」や「海賊」など、地域性やスキル内容が特殊になりやすいものを排除して、一般的なものを選択。
またDQの特技・呪文は戦闘系技能が多いので、TRPG系の非戦闘系技能が活かせそうな職業も導入しようと考えました。
そこで初期段階で選択肢として残ったものは、「戦士」「僧侶」「魔法使い」「武闘家」「盗賊」「旅人」「商人」「旅芸人」「冒険者」の9種類となりました。
ゲームの人数やバランスも踏まえて案を出す

次いで考えたのは実際のPC(プレイヤー・キャラクター)人数です。
現在のTRPGセッション参加PL(プレイヤー)数を考えると、2人~3人など、少人数化が広まっています。
ただゲーム元であるDQでいうと、1パーティの(実際に戦闘をする際の)人数は3~4人が平均的。
そこで当DQsTRPGも、「3~4人が戦闘を行うパーティ」でバランスを取りたいと考えました。
そこで重要なのは「専業」なのか「兼業」なのか。
専業はとは例えば「タンク専門」「回復専門」など、1つのアクションに特化しているパターンです。
「戦士」と言えば武器や武器攻撃スキルを使って、前線で敵と真っ向勝負をする職業。
その戦士性を活かすには「高HP」「高攻撃力」「高防御力」。
しかし「低呪文力」のように、呪文や特殊能力にはめっぽう弱く、素早さも遅いというような1芸に秀でたデザインが望ましいでしょう。
ただこのように設計した場合、仮に3人パーティで「戦士」「魔法使い」「武闘家」という3人だった場合、高火力型パーティではあるけれど、守備や回復がめっぽう弱くなってしまい、長期戦や特殊攻撃系の敵を出すとすぐに倒れてしまいます。
そのようなバランスで良いのかどうか。
個人的には上記した「専業」型の職業設計でも良いとは思います。
結局楽しむのはPLですので、選択もパーティバランスもPL任せで良いと思う。
ただ「作ってみたけど上手く機能しないからリセットしよう」となった場合、途中からの逃げ道も作った方が親切かなとも思います。
コンピューターゲームと違い、TRPGはキャラクターメイキングに掛かる時間がかなり多くなるため、安易にリセット・リメイクはしづらい。
それならば「やくそう効果にプラス」となるスキルや、「ホイミ」が使えるなどの「(一部)兼業」が望ましいかなと考え、『スタイル』なるものを新規システムとして導入する事にしました。
職業による特性から得て不得手を考える

前項まででDQやTRPGにおける設定や、専業や兼業を考えたバランスについて解説しました。
ただこれら内容はどちらかと言えば定性的な物事の考え方。
そういう訳でもう少々定量的な、数値設計で考えてみたいと思います。
実際の数値設計に進む前に、職業の特性としてどの位置に各職業があるかを考えてみました。
なお以下の項目には上記した職業のうち「旅人」が入っておりません。
これは職業の位置を比較検討している中で「旅人」というのは盗賊・冒険者と被っているため排除して構わないと感じたためです。
旅人は「小勇者」のような立ち位置で考えていたのですが、それならば勇者職を作ればいいだけの話です。
分かりづらい立ち位置の職業は、他人にとっても使いづらい可能性が高いので削除しました。
職業比較①:武器攻撃/物理防御
まずは各職業の白兵戦闘(武器で戦闘をする状況)を考えた際の比較。
武器や武器攻撃技能を使った際の攻撃力と、特殊攻撃ではない通常攻撃を受ける場合の防御力での比較です。

分かりやすく言うと、武器やガチガチの防具に身を包んで強いのが戦士。攻撃力は少し劣るけど、それなりに武器防具が装備できるのが商人・僧侶などです。
逆に紙防御なのが魔法使い。
その他の職業は実際のDQをプレイしている中での装備できる防具や攻撃ダメージから、おおよその位置を設定して考えてバランスを見て設定しています。
職業比較②:呪文攻撃/呪文を含む特殊防御
次いでの比較軸は呪文系の攻撃力と、相手呪文攻撃以外の「どくの息」や「あまい息」などの特殊攻撃を防ぐ防御力での確認です。

こちらの火力はやはり魔法使いがトップ。
戦士や僧侶などの位置を考えながら、旅芸人(≒遊び人)の能力値を向上させました。
ただ戦士の呪文攻撃力については魔法戦士的な立ち位置も考えられるため、盗賊との位置が微妙になっています。
なお自分が考える冒険者のイメージは、狩人やレンジャーのようなものと勇者のハイブリッドと捉えています。
職業比較③:戦闘技能/非戦闘技能
最後の比較はスキル自体の比較。
戦闘で活躍するスキルを多く持つ職業なのか、それとも日常的な非戦闘場面で活躍機会を持つ職業かの比較です。

この軸では戦闘で活躍する職業として戦士・武闘家・魔法使い・僧侶の順にランクインしています。
僧侶は回復呪文を得意とする職業ですが、この回復呪文は戦闘で活躍するものとして捉えているため、魔法使いに次ぐ位置になっています。
それに比べてダンジョンやフィールドで活躍できる職業が盗賊や冒険者。
さらに拠点(村や町など)で活躍できるのが商人と旅芸人です。
DQとしての遊び人や旅芸人の立ち位置が良く分からないのですが、中世ヨーロッパや現代のアメリカにおけるサーカス芸人やマジシャンは、社会的地位の比較的高い職業となっています。
そういう点で考えれば旅芸人は決して身分が低い訳ではありません。
実際DQ11の旅芸人のシルビアは服装センスこそブッ飛んでますが、数々の呪文や特技でパーティの補助をしています。
もちろんDQ3の遊び人のように「クソの役にも立たない」要素を入れる事で、ギャンブル的な面白さを旅芸人の本質にすべきと考えていますが。
自作TRPG作りの旅【職業を考える】~前編~:おわりに

今回はDQsTRPGの職業デザインとして、どんな立ち位置に各職業を置くべきか。
特に定量的な内容で解説をしてみました。
次回は定数的な内容を、DQsTRPGの基本パラメーターなどと共に紹介してみます。
ただ初期パラメーター含め数値の決定は出来ていないため、暫定的な設定になっています。
また上級職については前回の棚おろしにて説明した通り、一切手つかずの状態。
まずはこの基本8職業の設定とレベルデザイン、スキルなどを一通り完成させてから、上級職の設定を作ってく予定です。
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