自作TRPG談話2回目です。
前回はコンセプト編の前編として、TRPGのコンセプトや、有名タイトルのコンセプトデザインについて考えてみました。
今回は前回の流れを受けて、自分ikarushが一年ほど前から個人的に制作している、ドラゴンクエストTRPG(以下、DQsTRPG)をテーマに、どんなコンセプトが望ましいかを考えます。
このブログ記事及び当ブログのTRPGテーマは、自作TRPGであるDQsTRPG制作の流れや試行錯誤についてお伝えし、TRPGを好きな方や自作TRPGを作成されている方の何かしらのヒントになれば良いなという程度の記事になっています。
そのため万人ウケしないTRPG談話となる事も多々あると思いますが、上記内容を受けての事ですので、予めご了承ください。
目次
自作TRPGのコンセプトデザイン
自作TRPGであるDQsTRPGのコンセプトは、以下のように設定しています。
新たなるTRPGとしてのドラゴンクエスト
正直言って中途半端というか、陳腐というか、メッセージ性に欠けるというか。
何が言いたいのか良く分かってない気がしています。
ただ考え続けても答えが出ず、このブログ記事についても新たに5,000字ほどを書きなおしてみたのですが、結論が自分でよく分かりませんでした。
のらりくらりと駄文を重ねても仕方がないので、上記コンセプトに至った結論とその内側、そしてDQsTRPGの概論をお伝えします。
コンセプト要素①:ゲームは自分のためのもの

通常のマーケティング手法に従ってDQsTRPGのペルソナなどを決めてみたのですが、考え続けた結果、「想定される誰か」ではなく「自分自身の思い描くドラクエを作りたい」という部分が根っこにありました。
ちなみにペルソナと言うのはゲームメーカー:アトラスが制作しているゲームタイトルの話ではなく、「商品やサービスの対象となる人間は具体的にどんな人物かを設定する」マーケティング手法のことです。
【参考】ペルソナ|コトバンク
それでコンセプトにおいても、まず「自分がプレイをしていて面白いドラゴンクエストTRPGでないとダメ」というのが根本にあるという事を、自分自身理解しました。
では「自分がプレイをしていて面白いドラゴンクエストTRPG」とは何なのか。
文章で上手く回答出来ないので、以下に箇条書きでその要点を載せてみます。
- 既存TRPGタイトルと同様の流れでプレイできるドラゴンクエスト
- BGMやSEが前提にあるプレイスタイル
- 基本システムと拡張性
以下、簡単に解説していきます。
1.既存TRPGタイトルと同様の流れでプレイできるドラゴンクエスト

前提の説明をすると長くなるので、ここでは前提を無視しての解説のみをします。
既存TRPGと言うのは前回書いたソードワールドしかり、F.E.A.R.のアリアンロッドのような「ファンタジーを扱っているTRPG」という意味。
これらTRPGをするのと同じ流れでドラゴンクエストが出来ないとダメだよね、という事が言いたいのです。
例としては例えばレベルの話。
DQ3~5を基軸にキャラクターのレベルを考えると、ゲームをスタートさせて半日もプレイすればレベル10くらいにはなるでしょう。
しかし既存TRPGは半日プレイしてもレベルは1程度しか上がりません。
※1セッション=1レベルで換算しています
このTRPGプレイスタイルをDQに当てはめて「シナリオをクリアしてレベル2になったよ」「このゲームDQsTRPGは最大レベル20で考えているよ」「レベル14くらいでイオラとかバギクロスとか使えるようになるよ」というのは自分は納得いかない。
そのため、「1シナリオ(1セッション)中に数回レベルアップの機会があって、複数レベルアップするようなデザインのシステムが必要」と考える、というのがこの項の論点です。
2.BGMやSEが前提にあるプレイスタイル

DQを知らなくても「レベルアップの音」を知っている人は多いのではないでしょうか。
また、DQユーザーであれば「呪文を唱えた時の音」「重要なアイテムを手に入れたときの音」「宿屋に泊まった時に流れる音」など、人から言われただけで脳内再生できる方も多いでしょう。
しかしそもそものTRPGは音楽や音(BGMやSE)とは無縁のゲームです。
例えば誰もが遊んだことのあるトランプゲームを想像してみてください。
ババヌキを友達としている。
カードを配る時、自分の手持ちカードを揃える時、ペアとなったカードを捨てる時、相手のカードを引く時。
そしてババ(ジョーカー)を引いてしまった時。
それぞれの時に音が頭の中で鳴るでしょうか。
恐らく自分も含めて多くの人は「鳴っていない」と思います。
TRPGというゲームも基本的に「鳴っていない」。
しかしDQはコンピューターゲームの特性上、基本的に「鳴っている」。
基本的に鳴っているものが、アナログゲームになった途端鳴らなくなった。
これは違和感を通り越して設計ミスと言えるくらいの問題です。
「TRPGでもBGMやSEを」というのが、この項での要点となります。
3.基本システムと拡張性

ここで言う基本システムとは、ソードワールドなどでいう「基本ルールブック」とほぼ同義。
拡張性というのも、同サプリメントとほぼ同義です。
「ほぼ」という点について少しだけ注釈を加えると、既存のTRPGサプリメントは全て「追加」要素ですが、当DQsTRPGは「改変」という要素も加わります。
これは例えば「ドラクエ6の追体験をDQsTRPGでやりたい」というユーザーにも対応できるような、基本システムでありたいと言う点から来ています。
DQのTRPGを作るに当たって、ナンバリングタイトル(ドラクエシリーズ作品の何作品目)に基本システムを規定するというやり方はしていません。
「このDQsTRPGはDQ9を基本としているよ」という考え方ではなく、全てのDQ作品の元となるシステム。
その上で各ナンバリングタイトルに合わせた改変ルールを別に設ける事で、各タイトルがプレイ出来ると言うように考えました。
既存のもので言うならば「ガープスベーシック」や、F.E.A.R.の「スタンダードRPGシステム」みたいなイメージです。
基本システムにプラスしてDQ2の改変ルールを使えば、リアルの仲間と共にDQ2の追体験プレイが出来る。
基本システムにプラスしてDQ11の改変ルールを使えば、リアルの仲間と共にDQ11の追体験プレイが出来る。
このような事をかなえる基本システムを作りたいなと言うのが、この項の要点です。
コンセプト要素②:現代のライフスタイルで楽しめるようにしたい

2つめの要素はプレイスタイルについて。
要素の1つめと矛盾しているような気もしますが、ライフスタイルと言うのは自分の生活にも合致している部分なので問題ないです。
具体的な話を1つ。
TRPG創世記、そして自身がTRPGに触れ始めた世の中と言うのは、世界にインターネットは存在せず、SNSやスマートフォンどころか携帯電話も個人所有は難しい時代。
回線的なインフラや動画などのコンテンツも個人発信などありえない世の中でした。
それから20余年。
IOTが大きく進化し日常的なライフスタイルも変わりました。
前回ブログ記事の冒頭で「ここ1年ほどダイスに触れてない」と伝えましたが、それでもTRPGを含むボードゲームの台頭や、CoCなどの波及については理解しています。
そんな訳で万人ウケするゲームスタイルは望まなくても、現在、そして今後を見据えたゲームスタイルを考案しないと上手くいかないだろうと言うのが、コンセプトの1つになっています。
逆説的に言うと、
「このDQsTRPGは仲間同士6人程度で家に集まり、毎週1回朝から晩までTRPGをやって、約30回のセッションで全クリできるゲームです」みたいな。
こんなゲームデザインでは受け入れてもらえないだろうと言うのが、この項の論点です。
個人的にはオンセ推進派ではなく従来通りのオフセ支持派ではありますが、「TRPGは一切のコンピューターを用いてはならない!」と排除や否定をしている訳でもないので、出来るだけ柔軟にプレイ出来るようなシステムが構築できたらと考えます。
どどんとふなどでテキストもしくはボイスチャットなどにて、オンライン上でTRPGをする事
オフセ:オフライン・セッションの略
オンセに対抗して出来た言葉。従来通りの家などの部屋に関係者が実際に集まって遊ぶプレイスタイル
自作TRPGのコンセプトデザイン:まとめ

自分自身「DQsTRPGのコンセプトを一言で言うと◯◯!」というものが明確になっていないというのが正直な気持ちです。
そのため「まとめ」と言う言葉が揺らいでしまうのですが、状況を進展させるためにここでまとめとします。
DQsTRPGのコンセプト:
「新たなるTRPGとしてのドラゴンクエスト」
・他のTRPGタイトルと似たような遊び方ができるデザイン
・音楽やSEが鳴るTRPG
・基礎となるDQTRPGのシステムを作る
要素②:現代や将来の遊び方を見据えたプレイスタイルの考案
まとめ含め、今回の記事内容を読んでいただいても実際よく理解できないかもしれません。
と言うのも正直自分でも「どうしたい」「何を伝えたい」が明確になっていないからです。
自分が分からないものを人に伝えても、それは分からないままに伝わります。
そのためこのブログ記事は何度もリライト(ブログを書きなおして更新する事)せざるを得ないでしょう。
「このゲームのコンセプトを一言でいうと◯◯!」と言えるようになってからブログ記事を書けば良いのですが、現状それは難しく、あやふやな現状をお伝えしてでも次に進めたいなという思いだけでこの記事を書きなおしました。
今後の記事では、現在までに作成したDQsTRPGについてのシステムについて書いていきます。
また今回何度も出て来た「DQsTRPG」という単語についても、次回解説してから進めるようにします。
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