- コールセンターのマニュアルにはどんな事が書いてあるのか知りたい
- マニュアルの上手な使い方や、マニュアルを早く卒業する方法を知りたい
今回はこんな疑問に答えます。
なおこのブログを書いている私ikarushは、過去15年の間でコールセンターのオペレーターやヘルプデスク歴7年の実績があります。
今回はそんな自身の過去。
特に自分のマニュアルの使い方について詳しく、解説していきます。
目次
コールセンターのマニュアルの使い方教えます
マニュアルにしがみ付かれている方で多いのは、以下のようなイメージが思い浮かびます。
- 全ての情報をマニュアルから得て話をしようとする
- トークスクリプトを順に読んで対応する事を心掛ける
- マニュアルにない事があると常にテンパる

ここで話を少し変えて「マニュアル」自体そのものについて考えてみます。
例えばあなたが運転免許を取ろうとして、教習所にて仮免取得。
路上教習を経て卒業検定に合格すると、晴れて免許を取得します。
その後の運転をする際ですが、マニュアルを見ながらアクセルを踏んだり、ブレーキを踏む方はいるでしょうか?
また別の例も書いてみます。
あなたは普段料理をしますか?
私は男ですが、独り身で独身歴も長いので、一通りの料理は出来ます。
もちろん初めて作る料理はクックパッドなどを見て参考にしたり、食材の量や手順を確認しますが、2回くらい作ればだいたいで作ってしまいます。
料理を作れる方は、どの程度マニュアルとにらめっこされますか?
さて話を戻して、本題の電話業務はいかがでしょうか?
どのくらいマニュアルを見ながら作業していますか?
3日、1週間、1か月、3か月、半年でしょうか。
ちなみに自分の場合、最短で0日です。
デビューしたその時から、ほぼマニュアルなしで出来る事もあります。
仮に1か月間マニュアルを見る方と自分を比較すると、最低でも2倍以上の受電数になるでしょう。
なぜこのような事が出来るのか。
まずは一般的なマニュアルの中身から考えていきましょう。
コールセンターの「一般的な」マニュアル内容を知る
コールセンターのマニュアルというと、企業によっても多少変わるところはありますが、大まかに言うと以下5つになると思います。
- 会社の概要
- サービス内容や知識・注釈
- PCや画面の操作方法
- トークスクリプト(もしくはフローチャート)
- 敬語やクッション言葉、その他注意事項など
これらの事をかみ砕いて説明しても良いのですが、企業によって様々あるマニュアルをここで話しても意味がありません。
ここではまず、コールセンターのマニュアルはこんな感じの内容が書いてある。
この点が分かればOKです。
全体を俯瞰して重要なところを分けて考える

次に行うのは、このマニュアルの中で「理解する箇所」と「覚える箇所」を分けて考える事です。
仮に現場のマニュアルが前項のような内容で作られていたら、まず「理解する箇所」はどこでしょうか。
私自身で答えるとしたら、「理解する箇所」は 2.サービス内容や知識・注釈のみです。
1.と答えた方、惜しいです。
ここは覚えも理解もしない、その日聞いて納得すればOK。
仮に忘れても、後から「調べれば良い」ので理解する必要もありません。
では今度は「覚える箇所」はどこでしょう。
これも自分で答えるとしたら、2.サービス内容や知識・注釈、3. PCや画面の操作方法、5.敬語やクッション言葉、その他注意事項などです。
2. を除いてしまった方残念。
ひっかけ問題のようになってしまいましたね。
「サービス内容や知識・注釈」はトークスクリプトより重要で、コールセンターの中でもしかしたら一番重要な個所だと思います。
ただ、理解半分・記憶半分くらいでも大丈夫。
基本的にこの「サービス内容や知識・注釈」は、自分のデスクで大量の資料を閲覧できるため、必要に応じて調べればいいのです。
そう言えば4. トークスクリプト(もしくはフローチャート)が一度も登場しませんでした。
という事は理解も記憶も必要なし?
少し解説をしたいので、項目を分けて解説いたします。
トークスクリプトで重要なのはOPとED

改めてトークスクリプトについての話ですが、まずは「トークスクリプト」とはどういったものなのか。
その点から確認しましょう。
トークスクリプトとは、コールセンターにおいてオペレーターがお客様と電話対応する際に、お手本となる台本(シナリオ)のこと。 どのような状況にも対応できるように、あらかじめよくある基本的な対話の内容や、会話の流れを想定して作られています。
トークスクリプト(talk-script)- コールセンター用語集
トークスクリプトとは…「お手本となる台本(シナリオ)のこと」です。
つまりお手本ではありますが、実際にはそれほど使えるものでもありません。
そしてトークスクリプトの中で個人的に一番重要だと思っている個所は、OPこと「オープニングトーク」と、EDと書きましたが正確には「クロージング」です。
この箇所に書いてあるトークフレーズは、ロールプレイングが始まる直前までに頭に叩き込んで、トークスクリプトを見ずにサラッと口に出るようになれば最高です。
その他の部分は要りません。
ロールプレイングの時には使いますが、それ以外はゴミなので捨ててしまって問題ないです。
マニュアルを速攻でゴミ箱に捨てる方法

少々過激な言い回しや表現があり申し訳ないところもありますが、早くに独り立ちして頂くためにも、あえて過激な文言を取り入れてみました。
さて前項までのところでは、コールセンターのマニュアルで「理解」と「記憶」で分けて考える、という話をしました。
この項ではより実践に近い流れで、研修初日からデビューまでの間、どのようにマニュアルを使っていくか。
その点について順に解説していきます。
デビュー前の研修で不明点を潰す
まずコールセンターの研修の流れですが、大抵は以下のような感じではないかと思います。
- 座学研修
- モニタリング
- PC操作
- ロールプレイング
- OJT
- デビュー(いわゆる独り立ち)
デビューまでの研修日程がどのようなものか。
これは企業によって様々あるため何とも言えませんが、まずは座学研修があり、その時マニュアルを渡され勉強を始める。
この座学研修でのマニュアルですが、1ページ目から順々に進む流れの中、出来ればそのタイミングで、どんな内容がどの辺りに書いてあるのかマニュアル全体を見渡して把握しておきます。

そして座学研修に入っていきますが、ここでの説明で不明点があったら、積極的に質問するようにしましょう。
その際「分からない事は全て質問」というスタンスではなく、以下のようなルールを設けて質問をするようにします。
- 「他の人も分からないかもしれない」という視点で一瞬考える
- スマホで調べれば分かる事は質問しない
- 他の人の質問も聞き、似たような質問の場合は質問しない
- 昼食後はどうでも良い事でも聞く
少し補足します。
まず①について。
「不明点は質問する」というスタンスながら、他の人も聞きたい事かもしれないな、という視点を一瞬考えます。
一瞬と書いたのは、直感的に「どうでも良い質問かも」と思ったら、後から個人的に質問しますのでここでの質問はしません。
逆に言えば「この質問は他の人も疑問に思っているかもしれない」と、ほんの少しでも思ったなら、質問するようにしましょう。
次いで②。
例えば読めない漢字などで質問するのは止めましょう。
研修もスケジュールがあるので、出来るだけ話の腰を折らない方が賢明です。
そして③。
他の人がする質問にも耳を傾けて考えましょう。
その話の内容で解決しない場合、さらに質問するようにします。
最後④ですが、昼食後は絶対眠くなるので、言葉を発して眠気を収えましょうと言う話です。
このような事をするとマニュアルに書いてない内容が理解でき、必要であればメモを取れます。
また内容が知識としてインプットされるので、ただ単に講師の言葉を聞いているよりも、脳に焼き付くように覚えられます。
この作業をしておくと、モニタリング以降で急速に理解スピードが上昇します。
モニタリングとロールプレイングで作業の流れを知る

次はマニュアルの話ではないのですが、ついでなのでお話しします。
モニタリングやロールプレイングをする機会は、どのコールセンターでもあるかと思います。
この時、モニタリングをしながらただ「作業が速い!」という点に着目せず、大きな流れのようなものを理解するようにしましょう。
例としては以下のような流れを感じられればいいです。
- 電話を受けてオープニングトークをする
- 客の話を聞きながら、オペレーターが何をしているのか把握する
- 情報の検索に必要な内容(個人情報など)を聞きながら、次に何を聞けばいいか想像する
- 客の最終的な要望が何かを想像しながら、ゴールにどのように導くか確認する
- クロージング(終話)後に、どのような後処理作業をしているのか画面を見る
当たり前ですが初めて見るPC画面や、客とのトークを理解することはできません。
ただこの流れを自分の頭で考えながら捉えておくと、ロールプレイングやデビューをした時に、モニタリングをさせてもらった先輩の流れを自分に置き換えて「次はこの流れをすれば良い」というイメージが湧きます。
これをモニタリング時にイメージせず、マニュアルに書いてある文字を頭の中で変換させようとしても良く分からず、結果ロールプレイングでテンパることが起きてしまいます。
資料のメモを自作する

マニュアルに話を戻しましょう。
次はマニュアルに書き記すメモについてです。
これは座学研修時・モニタリング・ロールプレイング・OJTそれぞれのタイミングで、適宜すればOKです。
その際ですが、こちらも「理解のため」のメモか。
それとも「記憶のため」のメモかを考える必要があります。
理解のためのメモであれば、シャーペンや黒ボールペンでササッと書いておけばいいでしょう。
逆に記憶のためのメモであれば、色ボールペンかポストイットなどで、パッと目に付くように書きます。
また、資料として調べれば簡単に出てくる内容は、メモをする必要はありません。
コールセンターでの対応において、話す中で特に重要なものは事実を伝える事です。
事実を伝えるには、その情報があるところを調べる事が重要になりますので、メモで記憶するよりも調べて確認できる方が素晴らしいです。
メモは「自分の理解・記憶のため」のものとして、書き残すようにしましょう。
コールセンターのマニュアルの使い方教えます:まとめ

今回解説しました方法と流れについては、当ブログの制作者であるikarushが、実際のコールセンター業務でやっている事を言語化したものです。
正しいか、誤っているかは自身では判断できません。
ただ、この方法でデビューまでを過ごしていると、デビュー後もスピーディーに業務遂行出来ています。
今回お話しした内容を、ここで改めてまとめます。
【一般的なマニュアルの考え方】
- コールセンターの「一般的な」マニュアル5項目
- 「理解」と「記憶」を別々に考えて必要な個所だけ覚える
- トークスクリプトは「オープニング」と「クロージング」だけ徹底して記憶する
【最速のマニュアルの卒業法】
- 不明点を座学研修の段階で潰す
- モニタリングとロールプレイングで作業の流れを知る
- 資料のメモを自作する
ちなみにこのデビュー攻略法ですが、自身のコールセンター経験でいう所の、2か所目で既に実践していました。
誰かに指示されて始めた記憶もなく、思いついて実践してみたら都合が良かったので、現在までこの流れで学習しています。
そして今回初めて言葉にして書き起こしてみましたが、なかなか表現が難しかったです。
もし不明点などありましたら、個別にご連絡いただければ可能な限り説明いたしますので、当記事のコメントなどにご質問いただければと思います。
また、当記事の考え方に沿った書籍など紹介できればと思ったのですが、なかなか該当するものが記憶に見当たりません。
そのような中で今も本棚にあり、理解の仕方・覚え方に近しいものとしては、以下書籍が良いと思います。
こちら、国民的人気ゆるキャラ「くまモン」の生みの親である、クリエイティブディレクターの水野学さんの本。
段取りを最大限有効化する流れやヒントが満載の1冊になっています。
書籍自体は数か月前に読んだものですが、今回紹介した内容のヒントにもなるかと思いますので、興味があれば一読すると良いと思います。
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