コールセンターの仕事内容【習得スキルとその後のキャリア】

おしえてほしい君
  • コールセンター・カスタマーサポートってどんな仕事内容なの?
  • 仕事を通じてどんなスキルが身につくのか知りたい。
  • コールセンター経験を活かす方法があれば知りたい

コールセンターって一言でいっても幅広く、なんとも難しいですね。
今回はそんな質問に対して、具体的にお答えします。

このブログを書いている私ikarushは、過去15年の間でコールセンターのオペレーターやヘルプデスク歴7年、QAの新規作成や2次対応も複数年、携わって来ました。

そんな自身の過去や、仕事をした環境の中で得た知識を元に回答させていただきます。

コールセンターの仕事内容

電話に電話

コールセンターは沢山の人が電話をするところ。

簡単な仕事内容は分かってはいますが、実際の職場状況や環境については、分からない部分が多いと思います。

この項ではコールセンターや受電業務の主な名称と時給、具体的な仕事内容について解説します。

なおコールセンターには発信業務と受信業務という区分けもあります。
この内容に関しては、以下の記事にて詳しく解説しています。

コールセンターのアウトバウンド・インバウンド

2019年2月18日

発信と受信の違いについて知りたい方は、コチラの記事を見てみてください。

また当記事内では色々な業界用語・専門用語も出てきます。
コールセンターの特に受電業務に関する用語は、以下の記事をご覧ください。

コールセンター用語あるあるまとめ37選

2019年3月11日

カスタマーサポート

笑顔で電話したい女性

コールセンターと言うのは実はかなり広義な呼び方で、「ブースに沢山の電話やPCが置いてあって、そこで各オペレーターが受電業務をする場所」というような意味合いで言われる事が一般的です。

その主たる業務がカスタマーサポート(お客様を電話でお助けする)業務です。

カスタマーサポートは基本的に受電業務
掛かって来た電話に掛け直す事はあっても、新規に電話を掛けるという事はまずありません。

そのため「営業電話の仕事は(たぶんノルマとか厳しいだろうし)やりたくない」という方が、多く仕事をされています。

基本的に女性が多く、PCスキルやタッチタイピング(=ブラインドタッチ)の能力はおろか、PCに全く触れた事がないと言う方でも仕事が出来る事が特徴です。

対応するお客様はエンドユーザー(商品を個人で購入するお客様)である場合が多く、商品やサービスの知識が乏しい方も多くいるため、下記に紹介する仕事に比べてクレームを引く確率も高くなります

ちなみに最近はメール返信対応、チャット対応(分かりやすく言うとLINEみたいなリアルタイムのやりとり)についても、カスタマーサポートで行う業務のように捉えられています。

カスタマーサポートの時給

時給は日本全国なので地域によってピンキリありますが、概ね1,000円~1,500円くらいが相場でしょうか。

昔(15年くらい前)は+300円くらいで推移していたように思えますが、最近の求人を見ていると下がったなという印象。

ただ次に紹介するテクニカルサポートやヘルプデスクなどの給料は、場合によって上昇しているようなので、コールセンターの職種によって給与体系が変わったと考えるとしっくり来る気がします。

カスタマーサポートの仕事内容

カスタマーサポートはお客様の電話をお助けする事が仕事と書きましたが、より具体的には、簡単なご案内をする電話担当と言えると思います。

勤める会社・企業の業種によって様々な案内内容となりますが、一例を書くと次のような感じになるでしょう。

  • 購入予定・購入された商品についての案内
  • 自社サービスについての案内
  • 電話料金の見直しや契約内容の変更
  • ゲームについての質問やゲーム内掲示板の返信(メール対応など)
  • 車の事故などの受付対応

なお例えば上記例でいうと(高額な)商品を購入したい。サービスの詳細についての質問があるなど、専任の担当者に電話をつなげるという役目もあります。

そういう意味から転じて「1次受付」などと呼ぶこともあります。

テクニカルサポート

電話をしながらPCを見る男性

カスタマーサポートよりも技術的に難しい内容の電話応対をするのが、このテクニカルサポートになります。

ちなみにIT色が強い企業や担当者になると、「サーバー監視」や「ネットワーク監視」、「SE(システムエンジニア)」などとなり、就業に必要な資格(例えばシスコのCCNAなど)がある事もあります。

ただ基本的な部分は前述のカスタマーサポートとあまり変わりません。
少し異なるのは一般的なPC知識が求められる点や、自社サービスの技術的な勉強を研修中に行うなどの点が挙げられます。

また企業の専任担当者と協議をして、お客様と何度も電話でやりとりをして解決を目指す事もあり、就業先の現場によって様々あります。

テクニカルサポートの時給(月給)

仕事内容によっても変動するため、カスタマーサポートよりも幅は広くなります。

一般的なPC知識があり、研修時にサービスの詳細を勉強して対応する仕事であれば1,000円~1,800円くらい。
IT企業や外資企業などの場合、同じ業務内容でも1,300円~2,500円程度になるかと思います。

契約社員や派遣での出向社員の場合は、月給にして20万~30万くらいでしょうか。

またサーバー監視やネットワーク監視、SEなどの場合は概ね1,500円~3,000円弱くらいでしょうか。
任せられる業務や資格などにも左右されるため、経験が豊富で資格もある方なら、高時給(高給)になるケースもあります。

テクニカルサポートの仕事内容

こちらも様々あるため説明が難しいですが、技術的に低いレベル~高いレベルで例を挙げると以下のようになります。

  • スマートフォンの基本的な操作方法について
  • 自社で販売提供しているPCソフトの操作について
  • PCのネットワーク設定やMicrosoft Officeなどの操作方法案内
  • ネットワーク上の不具合や接続状況の確認
  • 特定のPCにネットワーク経由でアクセスし、PC操作を客の代わりに行う

ヘルプデスク

電話をしながら彼女宛てのメール返信に忙しい男性

テクニカルサポートと仕事内容は大きくは変わりませんが、ヘルプデスクは企業内で実際に動き回る部分が特徴的です。

そのため電話やメール対応で作業が終わることもありますが、実際に問題の発生しているPCや周辺機器(プリンターなど)を触って、問題を判断するような対応を行う事もあります。

分かりやすく一言でいうと、ヘルプデスクとは「パソコン関係のスペシャリスト」みたいな位置づけになるでしょう。

パソコン関係で動作がおかしい、何とかして欲しいと思った際に連絡する場所。
そして解決する担当業務と言った感じです。

ヘルプデスクの時給(月給)

こちらもカスタマーサポートと大差ないですが、契約社員や出向社員などの待遇によって前後します。
またIT企業や外資系企業などの場合は、その給与が一般企業に比べて多少上がることもあるようです。

数字的に何とも言えませんが、時給で言って1,300円~2,000円前後が現在の相場と考えています。

ヘルプデスクの仕事内容

こちらもテクニカルサポートと大差ありません。

なお直接社内を移動してPC操作などをする場合は、肉体労働が伴う事になります。

例えば故障したPCやプリンターの入れ替え、PCやプリンターの移設(人員異動によるもの)。
LAN線の繋ぎ込みや、プリンターインクの詰め替えなども作業となる事があります。

コールセンターのスキルやキャリア

ここまで簡単ながらコールセンタースタッフの仕事として、大きく「カスタマーサポート」・「テクニカルサポート」・「ヘルプデスク」の3つをご紹介しました。

そしてこれからコールセンターで身につくスキルについて説明しますが、「テクニカルサポート」・「ヘルプデスク」は除き、一番基本的な部分である「カスタマーサポート」に焦点を当てて解説します。

というのも「テクニカルサポート」や「ヘルプデスク」はその仕事内容の幅や、技術的な幅が広く、勤める企業や業務内容によって身につくスキルが様々あるためです。

身についたスキル・経験①:忍耐力

ヌコとパソコン
その点につきましてにゃんと言われましても…

これは誰もが想像するクレーム対応や、意外に思うかもしれませんがお年寄りの対応についてです。

自身が招いたクレームや、人が起こしたクレームの飛び火。全く身に覚えのない客からのクレームなどなど。
受電業務とクレームは切り離せないもの。
客から「上長に替われ!」と言われればしめたものかもしれませんが、怒鳴り散らしコチラの声に一切耳を貸さない相手との会話ほど恐ろしいものはありません。

もちろん絶対の回避策や、完全無欠の対応策などはありませんが、ある程度の慣れや対策を知っているだけで、ただただクレームに怯えるような事はなくなります。

またお年寄りとの会話はそれが日常会話であっても、客の要望が分からないまま会話が右往左往する事が多々あり、相手の思うように話をさせると用件がわからないまま多大な時間を要する、何をもってクロージング(電話を終了)させれば良いか分からないという事があります。

これら対応を何回か行っているうちに精神がマヒするのか対応に慣れ、それほど恐怖しなくなる、――つまり忍耐力を身につけることができます。

身についたスキル・経験②:傾聴力と質問力

グリーンバックの女性オペレーター

「傾聴」の定義とは多少ブレがあるかもしれませんが、コールセンターの受電業務でいうところの傾聴とは、お客様が何を望んでいるか、自社サービスやオペレーターとして何が出来るのかを、電話をしながら確認することと言えるでしょう。

一般的な店頭販売などでの接客の場合、目の前にお客様がいるため「コレについて教えて欲しい…」と商品を指さしたり、商品パンフレットを持ちだして「ねぇちょっと教えて…」などと切り出されてもすぐ対応できますが、電話の場合は何もない状態からの会話。それも、ぶっきらぼうとも言える喋り出しからの会話も多いため、マニュアル通りの対応をしても話がかみ合わない事が多々あります。

その際にも客の発言そのままをうのみにせず、「電話をしてきた本当の理由」を聞き出すための傾聴力や、理由を引き出すための質問力が養われるようになります。

身についたスキル・経験③:正しい日本語の使い方や敬語・クッション言葉

つきましては~、え~っと…などの間延び言葉禁止。
料金の方は…の「方」は、方向を指し示す時のみ使用する言葉
そのようなカタチとなります…の「カタチ」は、形状を表す表現でのみ使用する言葉

…などなど、コールセンターでの電話仕事をする上で、お客様に失礼のない日本語・応対マナーで接しようとすると、何を話せば正解なのか分からなくなる事があります。

企業によりターゲットとしている客層が異なるため、敬語などの運用について現場によって多少バラツキもありますが、基本的にどのコールセンターにおいても、丁寧語・敬語・謙譲語の使い方や、相手に話してはならないNGワードなどを受電開始前に座学講習を受けるでしょう。

もちろん初めてのコールセンター業務で、講習を受けた直後に電話をする時は間違えも多々あり、それが元でお客様からのクレームに発展する事もなくはありません。

また日常的に自分の話す言葉を意識していないと、これら誤った日本語はすぐ出てきてしまうのですが、最初は意識することによって、それから徐々に仕事をしながら慣れる事で、無意識に電話対応において問題ない(もしくは差し支えない)言葉遣いが出来るようになります

身についたスキル・経験④:PC基礎知識やタッチタイピング

タイピングをする様子

コールセンターの現場は、初めて自分が受電業務についた2005・6年頃から現在まで、基本的に電話機とPC、もしくはPCのみという環境で整備されています。

そしてコールセンターのオペレーター(受電担当者)は掛かって来た電話を受け、対応後に自身の対応内容を手元のPC端末で入力する作業を行って、対応完了となる流れが主流となっています。

そのためPCの基本操作や知識、特にキィボードの入力速度は、後処理(受電内容を記録を残す作業)短縮の重要な要素となります。

タイピング速度については現場によって全員を速くすることを是として取り組み、日常的にタイピング練習ソフトなどを触らせてくれる環境もあります。そんな現場にいるならば、タッチタイピング(=ブラインドタッチ/キィボードを見ずに文字を入力するスキル)を身につけることも出来るでしょう。

身についたスキル・経験⑤:現場企業の専門知識

PCとデータ資料

意外に忘れられる存在なのが、現場企業の商品やサービス、さらには業界についての専門知識です。

コールセンターに入るとほとんどの場合、最初に座学講義を数週間から1ヶ月程度、問い合わせ内容に関する商品やサービス、在籍する企業や業界についての講習を受けることになります。

その際、講義をするのはコールセンターの監督責任者であったり、場合によってはサービスや商品開発の責任者が直々に教えてくれることもあり、「触り」程度に収まらない、細かな内容について知る事ができます。


実際に自身が仕事の中で身につけた知識を挙げると、以下のようなものが該当します。

  • 自動車の任意保険、保険適用/適用外となるケーススタディ
  • ケータイキャリアのサービス全般や(ケータイ機器)メーカーとの関係
  • ITインフラ(ADSLや光回線)についての基礎知識と企業関係
  • ゲームメーカー企業内の内製と外注のあり方

電話業務に一切関係ない事もありますが、電話を受けた客の要望に重点を置くと、不要とも思える専門知識を身につける必要に迫られる事があり、そのため社内の内部事情にも明るくなることがあります

そう言ったA企業とB企業の関係のような話は、例え検索してもなかなか得られる事のない貴重な情報であるため(外部に漏らすのはコンプライアンスに抵触する可能性がありますが)、転職を考える上での武器になりえるでしょう。

身についたスキル・経験⑥:その他

これは現場現場によって異なるので何とも言えませんが、自分はケータイ電話のテクニカルサポートをやっていた事があり、その時はエンドユーザーと会話する際に実機(実際に電話口の喋っている相手が使っているものと同じケータイ)を持つ事もありましたが、説明書のみで会話をする事も多々ありました。

そんな訳で、的確に客の解答を調べる調査・確認力みたいなものが養われたなぁと後になって感じられました。

その他、アウトバウンド(電話発信業務)であれば発信力や営業力。不安がっている客を安心させるトーク術や、初めての客とも打ち解けて電話で談笑するような力を身につける方もいます。
そういう方は実際営業職や販売職に就いたり、物怖じせず対応する力を身につけられているようです。

コールセンターの仕事内容:まとめ

not Can't be Can.

いかがでしたでしょうか。

まずコールセンターの仕事内容として、以下の3つをご紹介しました。

  • カスタマーサポート
  • テクニカルサポート
  • ヘルプデスク

またカスタマーサポート業務を通じて身につくスキルを、以下のようにご紹介しました。

  • 忍耐力
  • 傾聴力と質問力
  • 正しい日本語の使い方や敬語・クッション言葉
  • PC基礎知識とタッチタイピング
  • 現場企業の専門知識

もちろん現場により、研修期間が短くなおざりな知識しか得られない。
PCはマウス操作のみでキィボードは触らない。
クレームが来たら即刻エスカレーションするのでクレーム対応しない…などなど。

環境の違いによって得られる経験に多少の差異はあると思います。

ですが日常的に行っている仕事ですので、身につける機会は多分にあるでしょう。

なお今回紹介した身につくスキルについてコチラの記事をご覧いただくと、具体的に傾聴力や質問力、忍耐力などをどのような状況で培ったのかについて、分かっていただけると思います。

履歴書や職務経歴書に「コールセンター勤務◯年」とだけ書くのも良いですが、上記経験やスキルを実際の現場経験と照らし合わせて身につけた経緯も話すことが出来れば、相手に好印象を与えられると思います。

その他、コールセンターでの時給・給料のUP方法について。

また、今回紹介しましたスキルを身につけてのステップアップ

コールセンターという仕事だけでステップアップするのであれば、現場監督であるSVなどの役職に就く。
職種の変更としては、PCスキルを身につけてテクニカルサポートやヘルプデスク、ネットワーク監視やSEなどのITエンジニアの道が開けると思います。

そのようなな転職やキャリア変更をする際の注意点については、以下の記事で解説しています。

コールセンターの職種と職歴書の書き方を考える

2019年3月3日

コールセンターの時給や給料を上げる方法

2019年3月2日

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。