なぜコールセンターはうつを生むのか【対策を考える】

前回は、なぜコールセンターはうつを生むのか【原因を考える】という話を書きました。

電話に疲れた人

なぜコールセンターはうつを生むのか【原因を考える】

2019年2月26日

コールセンターはうつになりやすいのか知りたい、という疑問に続き今回は、

コールセンターでのうつ対策や長く継続して働く方法が知りたい

このような質問に対して運営サイド、および従業員サイドの両方面から解決策を考えていきます。

そしてこの疑問についても、先に結論を出していきましょう。

【運営サイドの対策】

  • コール数を減らす施策
  • センターを設けない運営システム
  • 従業員を常時サポートする管理体制

【従業員サイドの対策】

  • 体調管理の徹底
  • アクティビティへの参加
  • 異なるワークスキルの習得

以下、詳しく見ていきます。

なぜコールセンターはうつを生むのか【対策を考える】

では改めてうつの危険性があるコールセンター業務の対策編です。

前回のおさらいとして、コールセンターがうつを生む要因として、下記の4つについて解説をしました。

  1. 仕事量
  2. 呼損率
  3. 人間関係
  4. クレーム

詳細についてはここでは割愛します。
(上記4点の詳細についてはコチラからご覧ください)

これら要因に対する対策としてコールセンターの運営サイドと、従事する従業員サイドという2点から対策を講じます。

というのも片方だけの対応では解決が難しいからです。

なお当記事でいう解決とは、うつの発症を低くすると言う目的ではなく、心身ともに健全な電話業務を行うためという目的のためです。

うつの発症を低くする目的では、リスクを保持したままになると捉えています。

運営サイドの対策

運営サイドの対策①:コール数を減らす施策

運営サイドの施策の1つめは、コール数を減らす施策を取るという事です。

方法はなんでも構わないと思います。

メールでの対応でも良いですし、現在営業やマーケティング手法として始まったチャットなどのサービスでも良いでしょう。

個人的に携わった経験からすれば、QAサイトでも良いと思います。

新規にコールセンター(以下、センター)を立ち上げる場合はともかく、これまでセンターを運営していたのであれば、過去の膨大な受電ログから解析し、お客様の問い合わせ件数の多いもの。
そして単純に対応できるものをピックアップして、QAサイトに掲載することでも効果はあるでしょう。

もちろんQAサイトを作ったからといって、すぐにコール数が減ることはありません。

まずはお客様にQAサイトを確認いただき、その上で解決できない問題に対してコールセンター側で処理する流れを汲む事で、煩雑な内容の受電数を減少させる事ができます。

実際過去にQAサイトを作成し、導線を設定して、QAサイトをご覧いただいてからお電話いただくような流れを作ったところ、およそ30%ほどの受電数減に成功した経緯があります。

人手不足を補いAIなどへのシフトも構いませんが、現実的な転換としてメールやチャットでの対応、QAサイトの設立などをオススメします。

運営サイドの対策②:センターを設けない運営システム

運営サイドの施策の2つめは、1か所にコールセンターを定めず運営するためのシステムについてです。

現在災害対策などを踏まえた上で、首都圏や人口密集地以外の地方に、コールセンターを移設する企業も多々あります。

そのような移設や複数拠点での運営も良いと思いますが、当記事の目指す目的達成のためにはあまり期待はできません。

ランサーズやクラウドワークスなどのリモートワーク(=在宅ワーク)仲介業者に依頼して、これらコールセンター及びメール対応スタッフをリモートワークでまかなうなど、新たな対策が今後必要になるだろうと思います。

もちろん個人情報保護など、容易に依頼できない問題点もあります。

しかし現状のままでは人員リソースは枯渇し、センターの運営リスクを抱えたまま運用し続ける事になりかねません。

まずは検討にてこれらリモートワークに業務委託する事を検討に入れ、柔軟に(お客様への)対応する方が良いと考えます。

今回は一例として、リモートワークに対応できそうな仲介業者様広告を掲載しておきます。

運営サイドの対策③:従業員を常時サポートする管理体制

3つめは、現在コールセンターで働く従業員の心のケアについてです。

コールセンター従業員は派遣社員である事が多いと思いますが、体調管理や現場についての質問疑問についても全て派遣元とのやり取りの上となっており、必要以上の意思疎通が出来ないのが現状です。

今回のテーマのうつは電話仕事をする上で、そして職場で仕事をする上で発生する問題と捉えており、そこにある意味部外者である派遣元企業の営業担当が介在し、自社社員をケアすると言うのはなかなか難しいでしょう。

それならばセンター側で心理カウンセラーやメンタルケア心理士といった、現場で働く従業員の心のケアに当たらせる担当者を設け、常時管理するような対応が求められます。

専門のスタッフが近くにいるだけでもセンターの問題点や、クレーム対応後の心のケアなどが対処でき、ストレスについて風通しの良い環境になるはずです。

メール対応やQAサイトの新設、在宅ワークに頼むことがぜきず現状維持を決め込むのであれば、いま在籍しているオペレーターをいたわる点を重視していただければと思います。

従業員サイドの対策

従業員サイドの対策①:体調管理の徹底

次いで考えていくのはオペレーターやSVなどの従業員側の話です。

まず初めにお願いしたいのは体調管理の徹底です。

体力的な点はもとより精神的な部分。
心労的な気苦労が多いのがコールセンター業務の特徴であると考えていますので、体調管理はしっかりとしたいところです。

実際自分もそこそこ若いころから受電業務をしていて、仕事帰りに飲んで翌日遅刻スレスレで出社などという事もありましたが、それを繰り返すと体力的な消耗から精神的な消耗に変わり、疲労しやすくなるという経験がありました。

もちろんストレス発散で飲みに行くのも良い事だと思いますが、常態化する飲みや深酒、ライフサイクルを損なう習慣はなるべく避けて、その分十分な睡眠をとることに心がけてほしいと思います。

従業員サイドの対策②:アクティビティへの参加

2つめは身体を動かすような活動の推進です。

コールセンター業務は完全な座り仕事で、日常的に身体を動かす機会がありません。

もともと体育会系気質な方なら、運動について苦労することなく始められると思いますが、文科系気質な人間ではアクションを起こすまでがひと苦労。

自分のように「アトピーもちで汗をかくのもイヤ」という人間であれば、運動なんてもってのほか。非常に難題になるのです(これは自分だけかもしれませんが)。

また運動ではなくとも、友達や仲間と共に健全なイベントに参加するのも良いでしょう。

健全なというのは、夜な夜な飲み会をして仕事や上司のグチをののしるような、そんな事はせずにと言いたいだけです。

日常的なアクティビティであれば、散歩や食事、小旅行などなど何でもいいと思っています。

しかし内気で連れそう友達がいない方もいるでしょう。

かくいう自分も大人数でいることを好まず、結果1人になることも多く、友達の輪から遠ざかることもしばしば。

ただ趣味の幅が広いので、そう言った仲間をジモティーなどで探して連絡を取り合うという事は、割とストレスなく行動できます。

自分発信は難しくとも、ジモティーの募集を見るという事であれば難しくないと思いますので、まずは友達探しをしてみてはいかがでしょうか。

【参考】ジモティー 無料の広告掲示板

リアルを充実させろとまでは言いませんが、日がな1日家で過ごすよりも外に出て、気分転換できるようになると良いと思います。

自分は過去に1人での旅行や、ゲーム好き仲間を誘っての温泉旅行などもやりました。
やはり1人で行くのも気楽でいいですが、気が合う友人同士というのも楽しいのでオススメしたいと思います。

従業員サイドの対策③:異なるワークスキルの習得

3つめは仕事についての話。
スキルの習得や、他から収入を得るという話についてです。

コールセンター業務をされる方は、大きく以下の2パターンあると思います。

  1. 日常の仕事として従事されている方
  2. パートやアルバイト、スキマ時間を利用してのWワークをされている方

1.であれば概ねフルタイムで就業されている事でしょう。

2.についても現場が近所だからとか、仕事に慣れているからとお仕事されている方が多いと思います。

もちろんこのままコールセンター業務を続けていただいて何ら問題ないのですが、当記事で懸念している「うつ」的な危険性を少しでも感じるならば、日ごろから他のスキル習得に目を向けると良いでしょう。

別の就業先を探すと言う方法でも構いませんし、資格の取得や在宅ワーク、今時分がやっているアフィリエイトなどを踏まえたブログなども良いと思います。

いずれにせよ、電話だけをより所に仕事を継続して、結果心の健康を害することになった場合、その後の仕事についても影響を及ぼすということを理解しなければなりません。

定年の年齢が年々引き上げられると共に、近年ベストセラーに輝いた「LIFE SHIFT」においては人生100年時代という事がメッセージとして世に出回りました。

この記事を読まれている方が定年を迎えられたシニアの方。
自分の親のような団塊世代の方であれば、年金や貯蓄を考慮にいれた生活スタイルを考えればいいのですが、30代や40代、さらにその下の人間であれば、セカンドキャリアやさらにその後のサードキャリアなども踏まえた人生設計にしなければ、100年時代の途中で挫折する事は明らかです。

自分のように人生の半ばで中途半場にならないためにも、今の収入体制をいま一度見直すと共に、10年後20年後を見据えた将来設計を考えると良いでしょう。

上に紹介した本の他にも落合陽一氏のこちらの本などは、これから社会人となられる学生さんや、現在学校に通っている子どもを持つ親御さんに読んでほしい1冊です。

また自分のように多趣味な性格を活かしたい方には、コチラの1冊を紹介したいと思います。

なお、当記事をPCでご覧いただいている方でWebプログラミングやプログラミング、アプリケーションの技術をつけたいと考えておられる方には、Udemyというビデオオンデマンド学習サイトをオススメします。

当ブログはWordPressで作成していますが、WordPressを少しでも触るためにはHTML/CSSといった言語を理解する必要があります。

また自分はAdobe Photoshopが触れますが、少し前にゲーム実況がやりたくて Premiere ProやAffter Effectsという動画編集ソフトや、上記したWebプログラミングからWebサイト製作が出来るDreamweaverなるソフトの使い方などを学ぶため、このUdemyで学習をしました。(全てAdobeのソフトウェアです)

アクセスした時期によってはコース1つが2万・3万とすることがありますが、何か月かに1度、その価格が2,000円程度になるセールがあります(もちろんコースビデオの中身は全く変わりません)。
2万・3万という値段はちょっとと言う方でも、1,500円・2,000円であれば気軽に購入できると思いますので、もしWebやPCアプリケーション、プログラム言語を習得できないか考えている方は、Udemyを使ってみる事をオススメします。

ビデオオンデマンド学習が出来るサイトUdemyにて私が実際に受講しているコースの画像
Udemyにて私が実際に受講しているコースの状況(2019/2/27現在)

なぜコールセンターはうつを生むのか【対策を考える】:まとめ

仕事でうつにならないため。
そしてその先の、継続的に健康で仕事を続けるためという目的についての対策を、以下のように講じてみました。

【運営サイドの対策】

  • 人員リソースは少ないものと捉え、QAサイトの設置などコール数を減らす施策を行う
  • リモートワークなど、センターを設けず運営できるシステムに移行する
  • センター内に心理カウンセラーやメンタルケア心理士などを常駐させ従業員をサポートする

【従業員サイドの対策】

  • 体調管理の徹底。精神的に落ち着かせる機会を日常の中に設ける
  • 友人作りやサークルなどを通じ、身体を動かすアクティビティに参加する
  • 電話仕事に依存しないために、資格の取得など異なるワークスキルの習得を行う

一部、電話の仕事自体から脱線した箇所もあったかもしれませんが、心にせよ身体にせよ、健康でないと次のアクションを起こすことが難しくなります。

僕は大丈夫。
あたしは大丈夫。

ではなく、健康や生活スタイルのみならず、収入などについても今一度立ち止まって考えて見る事をオススメ致します。

また1人で考えてみても分からなければ派遣元企業に尋ねたり、友人や家族と相談したり、あまり読書をされないのであれば、少し関連書籍を読んでみると良いのではないかと思います。

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