読書レビュー:お金2.0

お金2.0

先日読書レビューで書いた「モチベーション革命」を2017年の12月初旬頃だったかAmazonで見つけた際、「この商品を買った人はこんな商品も買っています」欄に表示され、且つ沢山のレビューが載っていたので気になりました。

そして書店にて上記「モチベーション革命」を探していたところ、この本「お金2.0」を見つけ購入。
合わせて、以前キングコング西野さんの書いた「革命のファンファーレ」を読んで面白かったので、その前作「魔法のコンパス」を一緒に買い、それぞれ年末年始頃に読みました。(「モチベーション革命」自体はその時は手に入りませんでした)

 

貨幣経済の歴史と中央銀行の事についての説明に驚愕

「お金2.0」はそのタイトル通り、経済ではなく「お金」に重きを置いて書かれた本。お金と聞くと社会主義と資本主義、重商主義や新自由主義、リバタリアニズムなどなど、勝手に「経済」についての事と変換されてしまいますが、これは純粋に「お金」をテーマとしている珍しい内容です。

著者の佐藤航陽さんは貧しい幼少時代を経て大学に進学。大学在学中に会社を興して、大学を中退。現在は世界に8つの事業所を設けて、アプリ収益化支援事業をされている若き会社社長さんです(詳細は仔細を語られている本文を参照ください)。

この中で冒頭、お金の歴史について書かれているのですが、金本位制(金の一定の重さをお金に換える制度)から、その国の貨幣を発行する中央銀行が世界で初めて英国で生れたのが1840年頃。そこから日本やドイツ、アメリカなどが英国の真似をして中央銀行を設け、1900年頃に世界で18ヶ国が。1960年頃で50ヶ国が、現在ではほとんどの国がこのシステムを利用していると述べています。

IKAは大学受験の際に一般受験科目で世界史を選択。
社会科は中学などの頃から結構好きで、故に世界史も取っ掛かりよく理解でき、そこそこの偏差値(確か一番いい時で75くらい)を出すことが出来ました。
(ちなみに日本史はからきしダメ。日本人なのに日本史分からないダメなやつです…)

それで世界史を学び、例えば国富論を書いたアダム・スミスやら労働者階級の解放を叫んだマルクス主義など。大学は経済学専攻ではないので詳細を勉強した訳ではありませんが、世界の歴史の中で経済がどのような変遷を辿ったのかは、ざっくりと頭の中にあります。

ただ確かに「お金」がどのように扱われたのかとか中央銀行についてなどは、天下の山川出版の教材の中でも、あまり見かけたことはありません。その為、本に書かれているこの内容は寝耳に水。佐藤さんが言われるように、たかだか100年ちょっとの間に国が発行する紙幣が日常の中で生まれて使われているという事実にビックリしました。

 

様々なエコシステムとこれからの経済について

書では前書きの段階で、現在メディアを賑わせるBtCなどの仮想通貨やフィンテックについての技術的な最新トレンドの紹介は書かないとしたうえで、それら新しいエコシステム(ビジネス生態系)が今後どのように自分たちの社会の中で組み込まれていくかなどを解説しています。

そして現在の日本では馴染のないキャッシュレス化や、時間や物を利用者それぞれが共有するシェアリングエコノミー。(カードゲーマーや海外アナログゲームでは馴染み深い)トークンという、言わばシステム利用者間のみで使用するお金を使ったトークンエコノミーなど、新しい経済が今後増えるだろうと予測。

その中で今後の経済は「価値」に重きを置いた潮流が生まれるだろうと言われています。

価値の概念について現在の企業で扱う資産についての資源や設備投資など、いわゆる「モノ」についてを「お金」という尺度で扱う事は出来ているが、例えばその企業で扱っているデータはいったいいくらなのか。そのデータの価値はどうやってお金として見るのかという部分が非常に曖昧であり、そのような曖昧になっている価値についてが、今後の経済の本質に変わるだろうと言われています。

これは「モチベーション革命」の中で語られる個人の偏愛。
人工知能がますます進化し生産効率がどんどん上昇する中で、ロボットが「非生産的」と考える人間ひとりひとりが持つ「好き」について。
これも現在のお金では数量化できない「価値」でしょう。

またキングコング西野さんが自身で行ったクラウドファンディングについて語られている本「革命のファンファーレ」の中で、クラウドファンディングは信用をお金化するための装置であると話しています。
つまり現代社会においてはお金を稼がずとも信用を稼げれば、後で(事業や商品を発売したいと思った時にクラウドファンディングなどの使えば)お金化できるという論理です。

個人的に好きで好きでたまらないもの。
今現在、その好きなもの自体はお金を生んでいないけど、その「価値」が新たな経済の中での「お金」に結びついたら、あなたの「単なる趣味」も「世界で随一の興業」に発展するかもしれません。

そこで重要になるのは個々人の気持ちと発信力や拡散力。
「こういうサービスがあったらみんな便利じゃない?」とか、
「こんなサービス出来たら参加したいって人、みんなで一緒に作らない?」とか。
そういうものをいち早く見つけて発信し、仲間を見つける事が出来たらお金持ちならぬ「お価値持ち」や「お信用持ち」になれるかもしません。

ではまた~(*‘∀‘)ノシ

 

 

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