先日渋谷に行った際に最近読みたい本があって書店へ。
渋谷には以前BookFirstが現在のヴィレッジバンガードの場所にあって、日常的に田園都市線を利用しているIKA的にはラインナップ的にもかなり好きだったのですが潰れてしまい。現在は東急本店(ちょっと遠い…)のジュンク堂までセンター街を抜けて行っています。
しかし目的の本はジュンク堂さんにも置いておらず、他にめぼしい本もなかったので、渋谷のBookOff(現在はヤフOffという店名になっている)に行きました。
ここでも別目的で欲しかった古本を探したのですが、良い本には巡り合えず。
仕方がないので、これまで読みたかった本やら、安いし自分の今のテーマに刺さりそうだなって本を見繕って何冊か購入しました。
今回ご紹介する声優:大塚明夫さんの著書「声優魂」もそのうちの1つ。
発売当初よりAmazonの欲しいものリストの中に突っ込まれています。
お値段200円で格安でした(笑)。
声優道を歩んだ漢(オトコ)の説教本
声優大塚明夫さんをご存知ない方のために、Youtubeでまとめ動画を見つけましたのでここに載せておきます。
なお「動画なんて見ないよ!(音出るし)」って方用に、大塚さんが演じられている役をいくつか書いてみます。
- ブラックジャック(ブラックジャック)
- ムーミンパパ(ムーミン)
- ネモ船長(不思議の海のナディア)
- ソリッド・スネーク(ゲーム:メタルギアソリッドシリーズ)
- アナベル・ガトー(機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY)
- バトー(Ghost In The Shell 攻殻機動隊シリーズ)
- ライダー(Fate/Zero)
- 骸骨の騎士(ベルセルク)
- エクボ(モブサイコ100)
有名どころが何か分かりませんが、個人的に好きなアニメタイトルや役柄で並べさせてもらいました。
それでも「動画も見ないけど、アニメのタイトルや役柄も全く知らないよ!」という方用に、漢(オトコ)の中の漢(オトコ)。野太く、しかし深みのある円熟な感じの男性的なボイスとでも紹介しておきます。
それでその本の中身ですが、帯に書いてある通り、
「声優だけはやめておきなさい」という内容が、これでもか!と言うほど書かれています。
具体的には、
- 声優学校出ても仕事はない
- プロダクション入っても仕事はない
- 端役も基本的に来ない
- 努力しても仕事が来るかどうかは分からない
- マネージャーとも相性がある
- 自分で営業できる職種ではない
- 仮に主役などの大きな役が来てもその次の作品につながる保証はない
- 給料が安い
- 家などの購入時にローンは組めない
- 下積みすれば声優だけで飯が食えるという保証がない(長くやってもダメな時はダメ)
などなど。
なんだか「お笑い芸人さん」のような印象を声優業というものに感じました。
個人的には別に声優をやりたくて読んでいる訳ではないので「声優も確かに大変だよな~」という程度ですが、男性も女性も今やアイドルと変わらぬ立ち位置になった声優職と言うものに対して「努力しても声優だけで飯が食えない人も沢山いるんだよ?」「本当に声優で良いの?」「他に夢はないの?」と何度も何度も問いかけてきます(苦笑)。
ただタイトルに「声優魂」となっているように、この本には大塚明夫氏のスピリットが注ぎ込まれていると強く感じました。
命を賭して声優をするだけの覚悟を説く
書には大塚明夫氏ご自身がこれまで関わってきた仕事について記されています。
学生時代のちゃらんぽらんな感じから演劇に興味惹かれ、故人で父親の大塚周夫(チカオ)氏が職業としてやっていた俳優業見つめ、そこから芝居に転身し、芝居に熱中していった事。
苦渋を舐めながらもなんとか芝居を続け、そして現在は声優をやられている事が事細かに書かれています。
それは冒頭に書いた「声優ってホントに大成するのは一握りだよ?」みたいな話と同じで、身命を賭して芝居が出来るのか、声優として頑張っていくだけの気骨や覚悟はあるのかと、ご自身でも生きていく中で選択し道を貫いた事が書かれています。
そしてこれはまた、――もちろん声優について書かれた本ではありますが――この本を読んでいる1人1人に対して、「おまえは本当にやりたい事をやっているのか?」「それで本当に良いのか?」「その仕事を続けていくだけの覚悟をもって取り組んでいるんだよな?」という事を問いかけているのです。
個人的には少々耳が痛いところもあり(苦笑)、しかし今の自分は「夢」みたいなものに向って取り組めているので、真摯に「ハイ! 覚悟をもって臨んでいるし、これからも取り組みます」と答える事ができます。
逆に「どうしようかな~」「適当に…こっちで良いかな~」「声優ってかっこいいじゃん☆」「俺もチヤホヤされたいし声優やるわ」「とりあえずShowroomやるから投げ銭よろしく!」「じゃぁ俺はYoutuberやるわ!」みたいな。
そういう人に対して氏はおそらく「やるのは良い。それで…ダメだと思うまでやり続ける覚悟はあるのか?」「ダメかもと思うんだったら、いまのうちに他の道を探したらどうだ?」と幾度となく聞いて来るので、説教が苦手と言う人には向かない本なのは間違いないでしょう(苦笑)。
最近ドラマの中で聞く方言に引っかかる
また「声優やめときな」という内容と並行して、「声優って声が良い職業」みたいな考え方に触れ、「声優は元々は(俳優業の中でも)低く見られていた職業。声優は芝居の延長線上なので、芝居が好きじゃなければ声優は続かない」という事も多く述べられています。
それで思ったのですが、最近のテレビドラマ。
自分からドラマを見るシーンは昔からあまりないのですが、父や母がテレビを見ているのを横目で見る事は多々あり、そんな中でNHKの朝の連続テレビ小説(現在は「わろてんか」)や同局の大河ドラマ(現在は「西郷-sego-どん」)を見ていて感じたことがあります。それは、
方言がなんとなくおかしい と。
もちろん一視聴者のふとした感覚なので気に留めてもらう必要もありませんが、セリフを聞いていて「そこホントに方言必要?」とか「方言ってそんな聞きやすいトーンなんだっけ?」と違和感を感じてしまいます。
俳優さんと言えばやはり演技。
身のこなしや手足、それこそ指の一本一本にまで注意深く意識され、目の表情や語気、喋り方や表情、姿勢や立ち居振る舞いなど、「あたかも役の人間がそこにいるかのように演じるもの」であろうと思っています。
また、その部分については特に違和感を感じるものではありません。
しかし殊に方言については何となく「下手なモノマネ」のように感じてしまう事が多々あります。
これが方言ではなく昔の人の言い回し。
例えば「拙者(セッシャ)」とか「候(ソウロウ)」とか。そういう言い回しについては、これまで首をかしげたことはあまりありませんでしたが、最近の方言については正直「へたくそだなー」と感じてしまいます。
IKAは神奈川・横浜市民なので、普段は基本的に標準語。
しかし父や母の田舎は地方の山の中なので、祖父や祖母らと会話すると方言やイントネーションの違いを感じます。
当たり前ですが、方言の真似は非常に難しく、(自分では全く分かりませんが)関東人が関西圏の方言を真似しても関西人から「へたやなー」とバレるし、米国で米語ではなく英語(American Englishではなく英国式のEnglish)を喋ればバレると聞いたことがあります。また米語や英語にも方言やイントネーションの違いがあり、生粋のニューヨーカーと田舎の人が同じ米語で喋っても「全然違う言葉」と捉えられると聞いたこともあります。
「マネが下手だと思うなら見なけりゃ良いじゃん」という意見はあると思いますが、ホントその通りなので見ないようにしています(笑)。
でも仕草とか色々上手いけど、なんか方言がらしくないなーという違和感は、特に最近感じる事が多くなりました。
イケボなら誰でも出せる
最後にまた本の話に戻って、本の中で大塚明夫氏は「良い声なら誰でも出せる。声優は良い声だからやるのではなく、芝居が好きかどうかなんだ」と語られています。
正直IKAは自分の声が好きじゃないです。
昔中学の頃、みんなでカラオケ(その時が初カラオケ)行って、自分の声のクソさに愕然としました。
ちなみに歌う事は大好きなので、率先してイケボを出そうとは考えませんが、昔組んでたバンドではギターコーラスなどやってました。
それでイケボの話。
2年くらい前から見ている好きなゲーム実況さんで「2BRO.(兄者弟者)」という方々がいます。
名前の通り兄と弟の実の兄弟がゲーム実況されているのですが、弟者さんの声がまんま大塚明夫氏な時があり、「イケボ」って本当にいるんだなーと感じました。
このゲームの主人公。スネークの声は大塚明夫氏。でもゲーム実況で喋っている声は弟者さん。実際に比べて聞いてみると「違うじゃん」と思ったけど、2人ともイケボだし、とてもカッコイイ。
ちなみに弟者さんは、このメタルギアソリッドシリーズのようなTPS(3人称視点)やFPS(1人称視点)のガンアクションゲームが本当に上手い。
エイム(銃で狙いを定めること)が尋常じゃなく速く、上手いです。たぶんこの点は大塚明夫氏と勝負しても弟者さんの大勝になるでしょう(笑)。
そんな感じで本の紹介でした。
ではまた~(*‘∀‘)ノシ
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